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のれん代とは?のれん代を高める方法やその処理方法を徹底的に解説

✔当記事はこのような方に向けて書かれています

「のれん代って何だろうか?」

「のれん代を高くする方法は?」

「会社をできるだけ高く売りたい」

✔当記事を通じてお伝えすること

  • のれん代とは
  • のれん代を高める方法
  • のれん代の会計処理について

当記事では、のれん代についての基本はもちろん、のれん代を高める方法やその会計処理についても詳しく解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください。

のれん代とは?計算方法をわかりやすく解説

のれん代の基本事項を見ていきましょう。

のれん代を高めるためにも、基本的なことを抑えなければなりません。

  • のれん代とは
  • のれん代の計算方法
  • のれん代が決まる仕組

のれん代とは?

「のれん」とは、貸借対照表上では表すことのできない目に見えない資産のことを指します。

貸借対照表に載らないものでも、価値がつけられるのです。

例えば、企業独自の技術力や顧客販売網、大手取引先との取引口座などを総称し、「のれん」といいます。

M&Aが完了後、純資産額を上回った部分が「のれん代」として買収先の貸借対照表の無形固定資産に計上されることになります。

のれんは見るからに価値のある資産ではありませんが、企業が利益を計上するために重要な役割を担っているのです。

のれん代の計算方法

のれん代の計算方法を説明します。

のれん代の計算方法を知らないとM&Aの検討ができないからです。

  • コストアプローチ
  • インカムアプローチ
  • マーケットアプローチ

コストアプローチ(Cost Approach)

コストアプローチは、貸借対照表の純資産に着目する企業の評価方法で、「純資産法」とも言われています。

中小企業のM&Aにおいて最も多く使われる方法です。

会計上、以下の計算方法となります。

のれん代 = 「実際の買収額」-「コストアプローチで算出した純資産」

マーケットアプローチ(Market Approach)

マーケットアプローチは、同業種の会社や株式市場の株価をもとに企業価値を算定する手法です。

実際の市場での契約価格をベースに評価するため、算出においては客観的な判断が可能になります。

ただし、以下のようなデメリットも。

  • 同業種が少ないニッチな分野の企業では比較対象が少ない
  • 比較対象が少ないと、算出が困難及び数値にズレが生じてしまう
  • 比較する企業は上場企業のため、未上場企業の中でも一定の規模の企業でしか利用できない

結果として、中小企業ではあまり使われない手法といえます。

インカムアプローチ(Income Approach)

インカムアプローチは、これまでの実績よりも将来的に期待される収益に着目して評価を導き出す方法です。

将来性のある事業や業種においては中小企業のM&Aでもよく活用される評価方法です。

前述のコストアプローチで算出した額と「将来生み出すであろう価値」を加えたものがのれんとなります。

のれん代が決まる仕組み

のれん代が決まる仕組みは、売り手と買い手の交渉によって決定されます。

なぜなら、目に見えない価値を算出するため、最後はお互いの同意により決定せざるを得ないからです。

売り手も買い手もお互いの主張があり、まとめるのは容易ではないでしょう。

そのために、客観的な算出方法も用いながら、お互いが納得のいく金額を探していくのです。

のれん代を高くする方法3選

のれん代をできる限り高くする方法について説明します。

のれん代は、双方の合意により決まるため、努力次第では、可能な限り高められるのです。

  • 買い手を徹底的に探す
  • 書いて動詞が競争するように促す
  • 強みを分析してまとめる

買い手を徹底的に探す

のれん代を高くするためには、買い手を徹底的に探す必要があります。

なぜなら、買い手の業種や状況によって、のれん代の産出額が異なるからです。

具体的には、質の高い買い手を探す為にM&Aプラットフォームへの登録や専門家への相談がおすすめです。

相談するのであれば、長期的な視点で提案してくれるところが良いでしょう。

買い手同士が競争するよう促す

買い手同士が競争するように促すことも大切です。

なぜなら、買い手企業1社だけとの相対交渉の場合、先方が提示した金額や条件面の妥当性が判断できないからです。

例えば、M&Aが普及してきているにつれて、買い手企業の知識や経験が増えてきています。

相場よりも低く見積もられてしまうこともあるでしょう。

できる限り、多くの買い手とコンタクトを取り、自然と競争する場面を作りましょう。

強みを分析してまとめる

のれん代を高くするには、貴社の強みを分析し、まとめることも大切です。

なぜなら、パッと見ただけではわからない、貴社ならではの価値がたくさんあるから

例えば、以下のようなものはまとめておくと良いでしょう。

  • 取引先・顧客
  • 貴社ならではのノウハウ
  • 貴社の専門的な技術
  • 貴社の優秀な社員

これまで積み重ねてきたことを正しくアピールできるよう、強みとしてまとめておきましょう。

のれん代の会計処理について知っておくべきこと

のれん代の会計処理について、知っておくべきことを説明します。

財務への影響を抑えたうえで、企業の売買を検討する必要があるからです。

  • のれんの勘定科目
  • のれん償却の会計基準4種類
  • 負ののれんとは
  • のれんが減損となるケース
  • 個別決算におけるのれん
  • 税務上ののれんとの違い

のれんの勘定科目

のれんの勘定科目は、資産調整勘定や負債調整勘定です。

のれんという呼び名はあくまでも、会計上の用語になります。

2つの科目は以下のように使い分けます。

  • 資産調整勘定:会社の買い取り額 > 時価純資産額
  • 負債調整勘定:会社の買取額 < 時価純資産額

のれん償却の会計基準2つ

のれん償却の会計基準をご紹介します。

基準により処理方法が異なるからです。

  • 日本の会計基準
  • 国際会計基準

日本の会計基準

20年以内の期間での定額法による償却が可能です。

また、減損の兆候があった場合に、減損テストを実施。

のれんの帳簿価額と将来の収益力を比較して、将来キャッシュフローが帳簿価額を下回るのであれば、減損額を認識することになります。

国際会計基準(IFRS)

国際会計基準審議会が定める世界共通の会計基準です。

日本の会計処理のように 国際会計基準では毎期ののれんの償却を行わず、のれんの価値が著しく下落した場合に、減損処理をおこないます。

減損テストは、年に一度実施します。

減損テストとは、M&Aの際に計上したのれんが現在も価値を維持しているか確認しているものです。

償却するとは、資産計上されているのれんを費用として取り崩すことを意味しています。

負ののれんとは

負ののれんとは、買い取り企業の価格が総資産を下回る場合に、のれんがマイナスであることを意味します。

買い手は、負ののれんが発生した期に特別利益として処理します。

のれんが減損となるケース

のれんの減損とは、見込んだのれん代が売り上げで回収できないときにおこります。

各会計基準による減損テストをおこない、貸借対照表に載せるべき金額をさげる時にのれんが減損となります。

個別決算におけるのれん

なお、のれんはあくまで連結の財務諸表で表記されるものであり、個別財務諸表上、株式譲渡の対価は全額子会社株式で計上されるので、のれんは計上されません。

税務上ののれんとの違い

税務上において、のれんは「資産調整勘定」、負ののれんは「差額負債調整勘定」と呼ばれています。

会計上と税務上においては、資産および負債には違いがあるため、両者の間には多少なりともずれが生じます。

そのため、のれんについて税務上と会計上が相違することに注意しましょう。

まとめ:のれん代とは無形の固定資産のこと

当記事の内容をまとめます。

  • のれん代とは、目に見えない企業価値のこと
  • のれん代を高めるためには、貴社の強みをまとめることが必要
  • のれん代は、会計上と税務上で異なるので注意

企業価値を高めたいのであれば、のれん代について理解しておくことは必須。

専門家と相談しながら、企業価値を高めていきましょう。